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重耳(ちょうじ)上 中 下

重耳(上)重耳(上)宮城谷 昌光

講談社 1993-02-04
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宮城谷昌光著 をよみました。
全3巻の大作です。

「重耳」は日本人にはさほど馴染みはありませんが、
「史記」晋世家での司馬遷の長大な叙述を見ても解るように、
古代中国最高の名君のひとりに数えられる人物。
春秋五覇筆頭の名君であると共に、
その運命の変転の激しさもあって、聖人として崇められている存在でもあります。

古代中国、春秋時代、晋国の王の子として生まれながら
後継者争いの陰謀に巻き込まれ
若くして国を出奔。
以来各国を放浪、苦難の旅を繰り返し62歳のときに帰還、
春秋時代を代表する賢王の一人に数えられる政治、外交を行ないました。

上中下3巻で、上では幼少期から青年期までの成長を、
中では王の子として国政に参加しての活躍と国からの出奔を、
下では旅の苦難と帰還、中国全土の覇者となるまでが、
多くの登場人物と当時の国の情勢を交えて語られていきます。

今まで多くの春秋時代の著作を読みましたが、
本作は、主人公が中国全土を放浪していることもあって、
同時代の中国全土の有り様が詳細に描かれているため、
頭の整理にも良い作品でした。

それにしても、
当時の人々は天を敬い、かつ恐れ、
世の声を聞いて政治を行なっています。
そんな謙虚な姿勢は、
神をも恐れぬ現代人が忘れかけているように思われます。
人間もまた、この宇宙に活かされている小さな命であるという自覚は、
これからもっと求めれれて来るのではないかと思います。

ダデモル小憎




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by bonboncha_xuxu | 2011-05-21 10:03 | 日々のこと


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